町の人口減少、未婚者増についてご相談を受けました

本日、3人の町内の方から日を同じくして、日野町の人口減少や少子高齢化、未婚者の増加などの諸問題についてご相談をいただきましたので、答えにはなっていないかもしれませんが、私の考えと思うところをお伝えしました。

ご存じの通り、日野町では人口推移の想定よりも人口減少が急速に進んでいます。

また少子化だけでなく、生産年齢人口の流出も大きな問題になっています。

日野町には誇るべき文化がたくさん残されており、文化財だけでなく、生活様式や景観も、脈々と受け継がれてきた伝統文化と言えます。

しかるに、伝統を守ることと排他的になることが、時として同義の響きを持つことに大変悲しく感じることがあります。

1町6村が合併して今年で69年を迎えましたが、先日開催された日野祭でも、私が暮らす桜谷地域など旧日野町地域外から足を運ばれる方は大変少なく感じます。

旧集落での文化を大切にしてこられたからこそ、今日まで伝統が守られてきたという側面があることは大切ですが、議員という立場から、町内各地区の住民さんとお話をすると、やはり地区ごとの見えない壁というものを色濃く感じます。

また、集落に転居してこられた人に対して、在住者の方の中には無意識のうちに部外者扱いをされている人がいることに、当該者はほとんど気づいていらっしゃいません。私自身が移住者ですので、町内の移住者の方からもそのようなご相談を受けることが多々ございます。

ですが、対応に難しさを感じるのは、在住者の方々が、自分の言葉、態度、村の空気が移住者や外国人に対しそのようになっていることに、全く気付いていらっしゃらないということです。また、このような部分というのは法や条例に触れる部分ではなく、個々人の心の在り方の問題ですので、他から「このように接しなさい」と言えるものでもありません。

集落内に独身者が多いという問題についても、昔のように各戸で農業を営み、長男はそれを継ぐのが当然のようなしきたりの中であれば、成人されても家から出ず、配偶者にしても親や親せき、ご近所さんから紹介を受けて結婚がまとまることも多くあったでしょう。

ですが、現在、農業も営農組織など共同で行う時代になってきており、各戸で農業を営んで、それだけで食べていける時代では無くなってきています。

そのような中、長男だからと囲い続ければ、出会いもなかなか得られないのは、当然の流れだと思いますし、当人も、ある程度の年齢になれば、今更自分の生活パターンや意識を変えてまで、家庭に現家族以外の人を迎えることをためらうのは自然のことだと思います。

町も地域と協力して婚活イベントなどを行ってきておりますが、今一つ成果が上がっていません。結婚というのは当人の心の問題であると思います。昔のように、お家のためにとか、地域や家系を絶やさないためにとか、そういう周囲の課題解決のためにするものではない時代だと思います。

今独身で高齢になってきておられる方々にしても、結婚の問題を周囲からの働きかけで何とかしようというのは、土台無理があると感じます。

大変厳しい意見かもしれませんが、町に活気を取り戻し、限界集落化を防ぐのなら、これから大人になっていく子どもたちに対して、家を継ぐ継がないの問題を前提にするのではなく、本人の意思を尊重し、少しでも広い世界を見せてあげて、その上で、いつまでも親のすねをかじるのではなく、自分の未来は自分の力で切り開くものなのだということを教えていくことではないでしょうか。

子どもたちに対しどうこうせよと親の意思を教え込んだり、村や町の問題点や、地域や他人の嫌なことばかり聞かせるのではなく、自分の住んでいる村や町を愛してもらえるよう、その素晴らしさを、繰り返し繰り返し話してあげることで、この先、日野を愛し、自分の村を愛してくれる人がどんどん育っていきます。

そうすれば、皆が皆、愛する故郷を離れようとは思わないでしょう。大学や就職で一時的に町を離れても、そのような人は必ず愛する故郷に帰ってきます。しかも配偶者や子どもを連れて。

多文化共生という言葉がありますが、いろんな人や色んな文化に対し、わだかまりを持たずに受け入れて、子どもも大人も、一人ひとりの心や可能性が大切にしてもらえる町になれば、日野町の未来は決して暗いものではないと、私は思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました