銃砲等所持許可証の更新に行ってきました

午後、東近江警察署に銃砲等所持許可証の更新手続きに行ってきました。

日野町はニホンジカ、イノシシ、ニホンザル等の獣害が多く、毎年農業への被害が多数報告されています。特にニホンジカは長年保護の対象となってきた間、頭数が激増しており、その被害は増加する一方です。

全国で獣害が増加している問題の背景には、山林管理の問題も大きいと言われています。昭和40年代までの日本は森林資源の需要が多く、木材として樹木を切り出した後は、いわゆる禿山(ハゲヤマ)になり、シカなどが食料とする木の新芽、木の実などが多くありませんでした。実際に江戸時代の浮世絵などを見ると、木々の生えてない禿山が多く描かれています。また古来から生息していたニホンオオカミが明治期に絶滅してしまい、シカやイノシシなどへの個体数調整ができなくなってしまったことも大きな原因の一つと言われています。

ところが近年はそのオオカミも山に存在せず、木材も安価な輸入材が多用されるようになったため、切り出されなくなり、間伐もされず鬱蒼とした山林が増加してきました。
天敵のいなくなった山林からは、シカやイノシシの食料が有り余るほど得られるようになり、1頭の雌から生まれる子どもの頭数は、本来の数の4~5倍にも増えており、栄養状態が改善したせいで、その多くが成獣へと成長します。
それに加えて農地の拡大や土地改良などにより、山林と人間の生活圏との緩衝帯が失われ、畑や田んぼ、時には民家にまで容易に野生動物が侵入できるようになり、野菜や米の味を覚えてしまった野生動物は、危険を冒してもそれを食べに里に出てきます。

このような状況により、農林業への獣害は年々増加しているのが現状です。
獣害を少しでも減らすためには、しっかりと柵で圃場を囲むなどの対策や、虫食い、トウ立ちなどの作物を圃場に捨てないなどの普段からの心掛けが大切です。しかし、これらの対策だけで解決することは非常に難しく、やはり絶滅してしまったオオカミに代わって、有害鳥獣を駆除する役目を担う猟師の存在も必要不可欠です。

私も議員という職に就き、初めて獣害の実態を知りました。そして根本的な獣害対策を図るには、机上の会議や研修だけでは無理であることを身に染みて痛感しました。
本当に適切な制度づくりを行うには、現場に身を置き、現実の課題を理解することが何よりも重要です。

そこで、思い切って猟銃の所持許可や銃猟、罠猟の狩猟免許を取得し、獣害対策、有害鳥獣捕獲の現場に入っていきました。

しかし、現在、罠や猟銃を持って獣害対策にあたっている猟師の高齢化も大きな問題となっています。かと言って若い人がこれらの許可や免許を取得し、また猟銃を自ら購入して所持することは経済的にも大変大きな負担がかかってきます。

現在、わが日野町で新たに猟師になろうと志す人への補助は非常にわずかです。農林業を守っていくためにも、適切で新たな補助制度を作っていく必要性を大いに感じます。

東近江警察署に銃砲等所持許可証の更新に行ってきました

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